まだ一人になる前に黒澤が電話で、「頼んでしてもらうことに何の意味がある?今までで十分わかっているだろう?自分が辛いだけだ」そんな風に言ったことがあった。それでもそのまま自分の欲望のまま黒澤に体を差し出すことは出来なかったから。。。
オナニーに耽ることにも次第に疲れてきて、静かな、少しずつまともな日常を取り戻していった。
日常が忙しくなると性欲も落ち着いてくる。忙しくしてれば全部忘れられるから。。毎日を不必要なほど忙しく過ごした。
どのくらいたった後か、はっきりと覚えていないけれど。。
見覚えのある番号の着信があった。黒澤からだった。
また何かあったのだろうか。。。すぐにかけることが出来なくて、どうしようか。。。
かけてはいけないと言うブレーキと何があったんだろう。。という不安と。。。
やはり私は電話をかけてしまった。。
相変わらず壊れた黒澤がいた。落ち着いたんじゃなかったの?
強がりばかり繰り返す。それが余計に辛くなる。
「ぼろぼろにされに来い」
「行かない。。命が惜しいから」
「死なないぐらいにお前の望みどおりにぼろぼろにしてやるから来い」
「やだ。行かないよ。私はかまって欲しいから。酷い人は嫌い。。優しさを欲しがるから、貴方とは無理。」
「おまえの感情なんかいらない。体だけ差し出せ」
体だけ預けろなどと普通は言わない。信頼関係だとか、大切に育てるから。。とか。
餌はそんな言葉だろう。
壊れた黒澤の本心だろうと思った。
「体だけ差し出せ」
こんな体でいいなら。。もうどうなってもいい。。。
黒澤の気持ちを私が貰えることもないのだから。
私も欲望のまま黒澤に責め落とされてしまうのも、いいのだろう。
黒澤のところに行けば、もう他の人のところには行けない。
生ぬるい関係での甘えももう終わりにしなければいけない。
我侭で、自分勝手で、自分のやりたいようにずっと過ごしてきた黒澤についていく覚悟を決めた。
緊張のために、ま○こは疼かなくなった。
そのときにした覚悟なんか今思えば甘い考えだった。
それから私は黒澤の気まぐれに振り回されるから。。。