「買われて、淫乱に乱れて、いろんな男にめちゃくちゃにされる。。。
ワクワクするな～」
黒澤は腹立たしいほど上機嫌だった。
電話の向こうで声を上げて楽しそうに笑う。。
私は黙って聞いていた。。

「行きたくないもの。。。」
ふてくされ気味にぽつんと言う。
「あ～。。仕方がないね。。諦めなさい。」
まったく何が仕方ないのかがわからない。。
気乗りしない私に黒澤は
「ま、案ずるより産むがやすしだな」と言った。。
。。。。。。。「それ、間違えた使い方だと思います」
なんだか可笑しくなって二人で笑う。。まったく。。。
その夜眠れずに朝を迎えた。。。

誤魔化されて当日。。
お天気が良くない。。
それは私をとても憂鬱にさせた。
身支度を整えながら、ばたばたする。
荷物は黒澤に会いに行くときと同じ。
化粧をして荷物をしながら、黒沢に会いに行くような錯覚を起こす。。。
違う。。黒澤に会いに行くんじゃない。。。
時間に追われながら、荷物を持って家を飛び出した。
打ち合わせをメールでして、迎えに来てくれた店長さんから段取りを聞く。。

初めて、来てしまった事を実感。。
面接のときとは違う従業員に対しての態度。
サークルのときのような歓迎ムードではなく、私は商品として扱われる。
実感はすぐに後悔に変わった。。
のん気すぎた。。。
私は簡単に考えすぎていた。
風俗で働くという事がどういうことなのか、今日来たということがどういうことなのかわかっていなかった。。。
店長の話が聞こえているのだけれど、頭に入ってこない。
緊張と、不安とで喉が渇く。。。

何故、来てしまったんだろう。。。
涙が出そうになるのを堪えた。。
泣きたいのを堪えた。。
「はい。。はい。。。」
指示を聞きながら、後悔は消えない。
黒澤を恨んだ。。
自分の考えの甘さを恨んだ。。
泣いてもどうにもならない。。。
もう戻れない。


感情をシャットダウンした。
そして、お客様の待つホテルに入り、部屋をノックした。

ランキングに参加していますので宜しくお願いします。
▼FC2ブログランキング▼