黒澤は私の理性とプライドという殻を何の苦労も無く取り去った。
私の限界は私が決めたものでしかなかったから。。

それはまるで、硬い殻のなかから
中身をずるずると引きずり出すように。。。

私は淫乱な女になりたくはなかった。。
おとされてしまわれたかったのではない。

お金も仕事も勉強も自分の努力で何とでもなる。。
自分でどうしようも無かったのが自分の中に燻る被虐。。
これだけは自分の努力では本当にどうしようもなかった。。
どうにもならない肉欲をもてあまして彷徨い飢える。。。

誰かに思うままにされたい。。。

それだけが願いだった。

自分を否定しながら消えない燻りと、体の中のざわざわとする欲望を、
どうにかしてくれる人を求めた。

堕ちていきたくはなかったのだ。。
淫乱な女になっていきたかったのではない。
自分の性癖を忌み嫌い、自分を否定してしまう。。。

全てを拒んだのは私の理性とプライド。。。
それを簡単に剥ぎ取り思うままに操る黒澤。。

時々自分の変化についていけず、
苦しむときがある。。
こんなはずじゃない。。こんなこと望んでない。。。
体と裏はらに気持ちが追いついていかない。

黒澤は、私の外見はなにも変えないまま
私の中身をさらけ出させ、
私をどんどん追い詰め、操り変えていく。
気持ちがついていかない私は、どこかでそれを望みながら、
それでも自分を否定する。。
淫乱な女は最低。。。

後ずさりをする私に、黒澤が言う。。
「俺の望んだことだ。お前が進んで変わっているのではない。」
「俺の思うままにお前はいればいいだけだ」

矛盾のなかで葛藤を繰り返す私に、
黒澤の与える免罪符。。。

私はこのままでいいんだ。。。